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大学生のゲイのリアルでの出会い 

リアルでの恋愛体験談

前回までは、僕が同性の恋人・友人募集の掲示板を通じて出会った恋愛(的な)体験をお話してきましたが、今回からは掲示板を通じての出会いからではない、リアルで出会った(ここでは「インターネット上がきっかけではない出会い」として使います)恋愛体験談に話を移して行こうと思います。

これまで僕は、掲示板を通じての出会いしかお話していないので、読者の方からすれば、筆者はさぞかしモテないやつと思われるかもしれません。

しかし、当時のゲイが出会う場といえば、ハッテン場(行きずりのセックスをすることが目的のサウナや公園、ホテルなど)や新宿2丁目のバー界隈や、そこでのイベントや、掲示板のオフ会などを除けばありませんでした。 (当時と書きましたが、現在もLGBTやパートナーシップといった観点からの啓発系のイベントなどは増えたものの、単純にリアルでの出会いの場という意味では、今も当時も大差はないのではないでしょうか)

また僕は、自分が日常生活を送る生活圏と、恋愛相手を探したり付き合ったりする恋愛圏は、すべて分けておきたい人間だったので、両方が介入しそうな大学の友人からの延長や、住んでいる場所の近辺での出会いは、大学生活の後半になるまでずっと避けてきました。

それは僕なりに自分の恋愛対象を生活圏の誰かに見られないための対処法であり、恋愛関係は長く続くものではないと思っていた前提があったためかもしれません。

掲示板での出会いに未来はない?!

そのような考えが変化したのは、前回お話したバルとの別れが関係していました。

バルと僕は、わりといい関係を築けていたと思うし、付き合っているという認識をお互いに持ってもいました

僕は、もはや日課となっていた募集掲示板を眺めるのを(勝手にですが)止め、彼と真剣にお付き合いをしていたつもりでした。

しかし、バルは僕のエロい写真を欲しがるのに、なぜ本体ではダメなのかという説明がつかないような事態に混乱し、バルと僕は何となく疎遠になってしまいました。

念のためにお断りしておきたいのですが、僕はバルとセックスをするということだけが大事だったわけではありません。

エロなしならエロなしの関係でも、あらかじめそのような話があれば、僕は「彼は性欲薄いんだなー」くらいで、すんだと思います。

僕が混乱したのは、バルは写真は欲しがるのに、なぜ本体には求めないのかの理由が理解できなかったためです。

事の理由を理解し解決できなかったために、僕は、これから先に掲示板を通じ、誰かといい感じになったとしても、掲示板で出会っている限り関係は続かないのではないかと思い込むようになっていました。

そのために僕は、バルと連絡を取らなくなってからは、掲示板を携帯のブックマークから削除していました。

自分の隙間を埋めるためのサッカーへの没頭

その頃の僕は、掲示板に向けなくなった情熱を、サッカー観戦のために毎試合スタジアムまで通うことで発散していました。

その熱の入れようは、スタジアム帰りに寄ったスポーツショップの店員が、僕の好きなチームのレプリカユニフォームを着て接客をしているのを見て、すぐにそこでのアルバイトを決めた程でした。

掲示板絶ちをしたことで、自分にぽっかり空いた隙間を、何かに没頭することで埋めたかったのかもしれません。

アルバイトを始めると、当初の狙い通り、希望する店員にはレプリカユニフォームが支給され、もともとの目的がユニフォーム姿で接客することだった僕は、1日も欠かさず、それを身につけ売り場に立ちました。

そのユニフォーム(に対する執念)と従来からの読書好きが、リアルで出会うカレシとの初めてのお付き合いのきっかけになっていくとは、スタジアム以外の場所で、公式にユニフォーム姿でいられることの喜びを噛み締めていた僕には気づく由もありませんでした。

「自分の周りには出会いがない」と、たまにノンケの友達から相談を受けると、「日常の中に恋愛ってあるものなんだっけ」とそこから不思議な気持ちになってしまいます。

僕の場合、日常生活中の出会いは、基本的に恋愛(的な)関係になると思っていないためでしょうか。

その人と仲良くなるためのことは考えても、相手からのお誘いがあった場合なら考えるかもしれませんが、そこで自分の方から積極的に、キスをしたいとか、家にいきたいとか、いわゆるハッテンすることは、あまり考えていません。

恋愛する時は恋愛すると決めている時であって、そうでない時はそうではないと切り分ける癖がついているのでしょうか。

この癖は、僕がゲイバレ(ゲイだと周りの人から知られてしまう)する可能性をできれば少なくしたいからで、日常生活を危険にさらしてまで、恋愛をしたくないと思っているのでしょう。

ノンケの人でも、職場や学校では恋愛したくないという方が、その理由としてあげる、自分と誰かが恋人同士だとばれた後だと、仕事(学校生活)がしにくくなるから嫌だからというのと、このゲイバレはそれと似たような感覚かもしれません。

冒頭で「周りに出会いがない」という友人の話を出しましたが、出会いとは、案外、積極的に求め過ぎない方が、余裕があるように見えてうまくいくのかもしれません。

アルバイト先の先輩で正社員、マツカワさん

アルバイト先のスポーツショップで出会ったその人は、先輩の正社員で、マツカワさんと言いました。

社員食堂の窓辺にある一人掛けの席で、ひっそりと本を読み進めていた僕に「何の本?」と声をかけてきたのがきっかけでした。

それまで彼とは話をする機会がなく、話しかけられた時も、必死で名前を思い出そうとした程度には、顔も名前も満足に覚えていないような人でした。

というのも、スポーツショップの店内は広く、売り場がいくつもあり、店員は担当するエリア内にいる必要があり、彼と僕は接触する機会がなかったのです。

マツカワさんは、長身で痩せ型、黒縁メガネをかけている以外は特に目立った特徴はなく、バイト先で有志を募って何度か見に行ったサッカーの試合では、いつも決まって黒のウインドブレーカーを着て、ビールをちびちびと飲んでいるという印象でした。

彼は基本的に物静かな性格でしたが、二人きりになると饒舌で、特に自分が詳しいことに関しては、譲らない面がありました。

後のことから思うと、僕と二人きりになった時のマツカワさんは緊張していたのかもしれません

個室でのキス

たまたま仕事の上がりが彼と一緒になった日に、僕らはそのままの流れで飲みに行くことになりました。

駅前やスタジアムの付近を除けば、個人店が目立つその土地には珍しいチェーン店の居酒屋に入ると、2人がけの狭い個室に通されました。

これまでにこの個室を訪れた客が空けたのか、ところどころ破れた障子の穴の数を、弱いアルコールを啜りながら、それとなく僕が数えていると、既にビールの中ジョッキを何杯か空けた彼は「お前といると何だか妙な気持ちになる」と、つぶやくように言いました。

僕が彼のその言葉の含意を尋ねるよりも前に、緊張からか、水も飲まずに酒を飲んだせいで掠れたのかわからない声で、マツカワさんは「キスしてみないか」と言ってきました。

その誘いは相手から発せられたもので、二人きりではないにしろ何度もプライベートで出かけており、もうずいぶん前に敬語をやめていた僕としては、特に断る理由もないかと彼からの誘いに応じました。

彼がこのことを誰にも喋らないだろなというのも誘いにのった理由の一つでした。

互いの粘膜が触れ合った瞬間、隣の部屋の声が異様に聞こえるようになり、「ああ、僕は今先輩とキスをしているんだな」と少し遅れてから、他人事のように理解したのでした。

マツカワさんからヒロシへ、そして…

マツカワさんとは、その後、本格的に付き合うようになり、呼び方も名字にさん付けからヒロシに変わりました。

付き合った2年と少しの間に、人目を忍ぶように訪れたちょっといい宿でセックスもし、付き合いは特に何の問題ないかのように思われました。

ですが、現在の僕の隣に彼はいません。

何が原因なのか、その後のいきさつについては、また次の記事でお話できればと思います。