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同性婚が日本で認められていない理由

2001年にオランダで初めて同性婚が認められました。

そして2020年7月現在、29か国で同性婚が認められています。

しかし日本では同性婚は認められてはいません。

一部自治体では「同性パートナーシップ制度」が始まりましたが、この制度は法的効力を持たず同性婚とは異なる制度です。
関連記事:同性パートナーシップ制度とは?結婚と何が違うの?

今回は、なぜ日本では同性婚が認められないのかについて考えていきたいと思います。

憲法の規定

まず同性婚を認める上で、議論となっているのが同性婚が憲法で認められているのかという点です。

結婚について規定している日本国憲法24条の1項は次の通りです。

日本国憲法24条
1項 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

この日本国憲法24条の1項の「両性の合意という文言が議論になっていて、憲法学者や法律家の間でも意見が分かれています。

認められていないとする意見

文言を文字通りに解釈し、両性が男女を意味しているので憲法上、同性婚は認められないとする意見があります。

認められているとする意見

憲法が作られた時には同性婚は想定されておらず、憲法24条1項は「戦前の家制度の否定」や「男女平等」を意図しているため、同性婚を禁止する意図は無く認められているとする意見があります。

また憲法の他の条項の個人の尊厳」「幸福追求権」「性別に基づく差別の禁止の規定を考えれば、認められているという意見もあります。

政府・与野党の姿勢

政府の同性婚に関する見解

まず現在の政府の同性婚に関する見解を見てみましょう。

こちらは2015年2月の安倍首相の、同性婚と憲法の規定に関する質問に対する政府の答弁です。

安部首相
「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない。」

「同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは、我が国の家庭のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する。」

そしてこちらは2020年2月の政府の答弁です。

「憲法第24条第1項の両性との文言は、男女を表しているものと解される。」

「憲法第24条第1項は、婚姻は両性の合意のみに基いて成立すると規定しており、同性婚の成立を認めることは想定されていない。いずれにしても、同性婚を認めるべきか否かは、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり極めて慎重な検討を要するものと考えており、政府としては現時点において、同性婚の導入について検討していないため、具体的な制度を前提として、それが憲法に適合するか否かの検討も行っていない。」

簡単に要約すると
「憲法の両性の文言は男女を表していて同性婚を想定していないし、同性婚の法制化を積極的に進める気は無いので、合憲か違憲かの解釈も考えていません。」というものです。

いずれの答弁でも、同性婚が違憲か合憲かという政府の憲法解釈を明確にしていません

そして家庭のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要するものとして、同性婚の法制化の議論を進める考えもほぼ無いようです。

この政府の消極的であいまいな姿勢が、同性婚の議論が進まない大きな理由の1つです。

自民党内の意見

自民党内には同性婚の法制化に対して、賛成派も反対派もいます。

2019年の参院選の候補者に対する朝日新聞の調査では賛成が1割弱で反対が4割弱でした。
ソース:朝日新聞の調査記事

反対派には保守主義の観点から伝統的家族観を壊したくないとする意見があります。

党としては政府の見解と同じ立場であるとしています。

自民党内の意見は政府に大きな影響を与えるため、自民党内の賛成派が少ないことも同性婚の議論が進まない理由の1つです。

野党の意見

野党では、維新の会・立憲民主党・共産党・社民党が党として、同性婚を認める法整備を進めるとしています。

国民の理解

世論調査

少し前の2015年に公表された世論調査では、同性婚の法制化に「賛成」と「やや賛成」が51.1%であったそうです。

「反対」と「やや反対」は41.3%で、年代が上がるにつれて反対が増えています。

「賛成」と「やや賛成」の割合は20代が高く71.6%で、70代は24.2%でした。
ソース:日経新聞の記事

この調査の結果を見ると、若い世代の多くは同性婚の法制化を支持しています。

一方で年代が上がれば上がるほど反対が増えていて、理解が進んでいないことが分かります。

この上の世代の反対が、同性婚の法制化への国民の理解を得る上での障壁となっています。

どうすれば同性婚が認められるのか

司法の判断

最も最短で認められるのは、司法において「同性婚が認められていないのは違憲である」との判決が確定する事です。

違憲判決を司法が出せば、政府は従わないといけません。

2019年に13組の同性カップルが全国で、同性婚が認められていないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害しているとして提訴しています。
関連:支援団体のサイト

寄付等もできますので、同性婚を支持する方はぜひ支援してあげてください。

政府の姿勢を転換させる

こちらはとても長い時間がかかりそうです。

国民の支持や自民党内の賛成派を増やし、政府の姿勢を転換させ法案を国会で可決が出来れば、同性婚を認めさせることができます。

選挙を通じて実現させる

選挙を通じて同性婚を認める政党に過半数の議席をとってもらい、法案の可決をすれば同性婚を認めさせることができます。

ただしこちらは、政権選択となるので同性婚だけではなく、他の多くの政策も重要になってきます。

同性婚を認める政策は支持するが、他の政策で支持ができない方がいるので難しいです。

まとめ

このように同性婚が日本で実現できていないのは、法的な問題政治的な問題国民の支持の不足が理由となっています。

同性婚が認められるには、司法判断賛成派の議員や国民を増やすことが必要です。

現時点では裁判で違憲判決を得ることが最短の道のりに思えます。

こちらもなかなかハードルが高いようですが、提訴した方々や弁護士の方には頑張ってもらいたいです。

裁判官の方にもLGBTQが明るい未来を描くために、同性婚を実現できる判決を出してほしいです。

そして、LGBTQにとって日本社会がもっと暮らしやすくなることを願っています。