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前回は、インターネットを介してではないリアルでできた初めてのカレシのことをざっとお話しました。 今回はその話を掘り下げながら、具体的になぞっていきたいと思います。
ゲイの恋愛は長持ちしないと業界ではよく言われますが、なぜそのようなすれ違いが生じてしまうのでしょうか。
そもそも、彼、ヒロシはゲイなのでしょうか。
密室での逢瀬と違和感
個室居酒屋での一件を経て、マツカワさんからヒロシ呼びに変わった彼とは、その後、約2年の時間を共有しました。
ヒロシと1番通った場所は、僕たちの付き合いのきっかけでもある地元のスタジアムでしたが、鎌倉や京都、お台場や軽井沢といったお決まりのデートスポットにも、出かけたりしたり、泊まりにいったりしました。
世の多くの恋人たちはそうなのかもしれませんが、僕たちが泊まる時は決まって貸切風呂付きの個室で、旅先にしろ、遠出にしろ、食事をするには個室を多く使いました。
それは、出かける際には彼が必ずプランをたてて、前もって場所を予約しておいてくれたからでした。
ただの遠出ですらいつも予約のされた個室に通される、最初は恋人のこの対応に喜んでいた僕でしたが、外泊の場合に予約がいるのは理解できるにしても遠出には必須なのか、と彼のこの対応に一抹の疑問を抱くようになりました。
もちろん、恋人同士なのだから人目も憚らずイチャつきたい、あるいは彼が元々几帳面な性格という理由から生じるものかとも思いましたが、僕にはどうもその理由で彼の行動を説明し切れるとは思いませんでした。
どことなく、しっくりこないのです。
お互いが付き合った年月を記念する指輪が、僕の小指に馴染み始めた頃、僕はしばらくの間ヒロシに対して持っていた疑問を、彼に直接尋ねました。
「ヒロシは、僕たちの関係が第三者に見られることをどう思っているの?」と。
すると、それまで、近況報告忙をしながらも忙しそうに動いていたヒロシの食事をする手が止まり、途端に生まれた静寂が、彼の応えだったように思います。
「ヒロシは人から怪訝な顔をされたくないんだね、わかるよ」僕のその言葉に嘘はなく、それは僕も同じでした。
僕はゲイだから
貰った指輪をつけるのが当たり前になり、次第にそれをつけるのを忘れる日が生じるようになった頃、彼との関係は終わりました。
僕らの関係を隠し続ける関係に、少し疲れてしまったのかもしれません。
自分たちの関係が第三者にバレるかもしれないという自分の不安が、彼と居続けることで更に増長されてしまう、最後の僕はそんな風に思っていたかもしれません。
なぜヒロシといるとそのような考えになったのかを予想すると、彼が自分で自分のことをゲイだと思っていないことと関係しているように思えます。
彼にとって、僕との関係は、僕を男性として見ているからではなく、僕であるから成り立っているのだと言われました。
ヒロシからしたら、僕個人に対する賞賛のつもりだったのかもしれません。
でも僕は、ゲイである自分の要素は、自分自身と切り離せないと思っています。
僕は男性として男性が好きなのです。
それが僕だと思っています。
それが、僕と彼にとって関係を終わらせる十分な理由になったと思っています。
僕とヒロシが別れて5年が過ぎた頃、僕は繁華街で一度だけ彼を見ました。
鮮やかなピンクのフレアスカートを履き、緩く内巻きにした肩につくぐらいの明るい髪の女性と一緒にヒロシは歩いていました。
ああ、彼にはやはりそういう姿が似合うなと、遠くから眺めながら思ったものです。
彼女のものらしきハンドバックを後ろ手に持ちながら歩くヒロシは、僕の隣にいた時よりも窮屈そうではありませんでした。
日差しを受けたバックの金具は、一層の存在感を示していました。
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